『幸せのレシピ:父と息子が紡ぐアイスクリームの物語』
第一章:別々の空の下で
1987年、私がまだ幼かった頃、両親は離婚しました。
父はアメリカで新しい家庭を築き、私は母とともに日本で暮らすことになりました。
それ以降、私と父は一度も会うことなく、互いに別々の人生を歩んできました。
子どもの頃は、ただ「会えない人」として存在していた父。
やがてその存在は、自分の人生の中であまり触れることのない「遠い記憶」へと変わっていきました。
第二章:ゼロから生まれた“本物の味”
2003年、ロサンゼルス郊外の町、Whittier(ウィッティア)。
父は、人生を共にするかけがえのないパートナーと二人三脚で、アイスクリームショップ「Mrs. Freeze(ミセス・フリーズ)」を立ち上げました。
決して順風満帆なスタートではありませんでした。
資金もなければ、技術もない。
それでも、“自分たちの味”を届けたいという強い思いだけは誰にも負けませんでした。
時には営業終了後の人気店のゴミ箱を覗き、レシピのヒントを探したことも。
何百回ものトライアンドエラー。
悔し涙を流しながらもあきらめず、二人で味を磨き続けた血の滲むような日々。
父と共に人生と店を築いてきた彼女は、ただの共同経営者ではなく、深い愛情と支えをもって、アイスクリーム作りに全身全霊を注いでいました。
そのひたむきな努力と愛情によって生まれた味は、ただのスイーツではなく、人生そのものを映し出す“生き様の結晶”だったのです。
その努力はやがて実を結び、2005年、LAカウンティーフェアにて5種のフレーバーすべてが金賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
「ミセス・フリーズのアイスクリーム」は、本物の味として、多くの人に愛される存在となりました。

<Los Angels Whittier 本店にて>
<受賞した5つの金賞メダル> 
(出品フレーバー:トーストアーモンド、レアーチーズケーキ、アップルシナモン、クッキークリーム、ミルクベースの基になっているクレマ)
<地元新聞でも取り上げられました>


そして2007年、父たちはアメリカでの営業を終えて日本へ帰国。
父は「この味なら、日本の人たちにも必ず喜んでもらえる」と確信していました。
その想いを胸に、2010年5月、神奈川県川崎市の元住吉駅近くに「Mrs. Freeze 日本1号店」をオープンしました。


オープン後、口コミが広がり、テレビや雑誌の取材も受けるようになりました。
遠方からも多くのお客様が訪れ、アイスクリームを通じて笑顔が広がっていきました。
その後、2014年に鎌倉へ店舗を移転。
2016年には加盟店店舗として、東京都葛飾区青戸にミセスフリーズ・スイートボックスが開店。
“ヘルシーなのに美味しい”
“まるで新感覚な味わい”などと、より多くのお客様から喜びの声を頂く事が出来ました。
<鎌倉店>

<ミセスフリーズ・スイートボックス青戸店>

<Google口コミ内容抜粋>



第三章:父と息子、35年ぶりの再会
私はそんな背景を何も知らずに育ちました。
父のことも、アメリカでの暮らしも、まるで知らないままで——
それが変わったのは、私が35歳になったとき。
ある本との出会いがきっかけでした。
「人は、自分のルーツを知ることで、本当の自分を理解できる」
その言葉に背中を押され、35年ぶりに父と再会することになったのです。
初めて見る父の顔。穏やかな笑顔とともに、彼は語ってくれました。
自分の人生、店を支えてきたパートナーとのこと、家族のことも語ってくれました。
そしてあのアイスクリームがいかにして生まれたかを。
私は、その話に胸が熱くなりました。
“親子”というよりも、“人として”深く尊敬する想いが生まれた瞬間でした。
第四章:引き継がれたバトン
2023年年末、父から「そろそろアイスクリーム事業からは引退しようと思う」と聞かされました。
この味が、もう食べられなくなるのか——
それはあまりに惜しいと感じた私は、勇気を出して父に言いました。
「このアイス、僕に引き継がせてもらえませんか?」
長い時間をかけて積み重ねてきた味。
父とその家族が築き上げてきた努力と誇りを、簡単に“終わらせてしまう”ことはできなかったのです。
父は、その申し出をとても喜んでくれました。
そして私は決意しました。
この味を、想いを、もっと多くの人に届けようと。
第五章:RELAXの誕生
2024年、「Mrs. Freeze」の味を受け継ぎ、新たに「RELAX」として生まれ変わりました。
「食べた瞬間、心がほぐれるようなアイスクリームを」
そんな想いを胸に、ヘルシーなのにコクがある、罪悪感なく楽しめるジェラートとして、伝統の味をさらに磨き上げました。
低糖・低脂肪・卵不使用。
だけど驚くほどクリーミーで、豊かな風味。
プレミアムアイスとジェラート、それぞれの良さを融合させた、“新感覚のごほうびスイーツ”です。

終章:幸せを運ぶひとさじ
アイスクリームを食べる瞬間、それは多くの人にとって、小さな癒しの時間。
RELAXは、そんな時間をもっと特別なものにしたいと願って生まれました。
日々の忙しさの中、ふと深呼吸したくなる時、RELAXはあなたのそばにいます。
疲れた心をほぐし、ひとさじで笑顔になれるひとときを届けたい——
それが、私たちの想いです。
そしてこのRELAXは、35年の時を超えてつながった、父と息子の物語の続きを紡ぐアイスクリームでもあります。
どうぞ一口、その物語を味わってみてください。
